「形式を選択して貼り付け」を制すものがエクセルを制す

こんにちは、おさです。「形式を選択して貼り付け」を制すものがエクセルを制す、という本稿のタイトル。すごく気に入ってしまいました。まったくの冗長表現でも、釣りタイトルでもありません。エクセルの「形式を選択して貼り付け(または形式を選択してペースト)」を完璧に使いこなせる人なら、きっとこのタイトルを見た瞬間に「うんうんうん」と3回はうなずいてくれます。

あなたはこれまでに「形式を選択して貼り付け」を使ったことはありますか?エクセルの「貼り付け(またはペースト)」は、ただのコピペのことです。しかし「形式を選択して貼り付け」は、ただのコピペではありません。「すごいコピペ」です。何がすごいかって?それでは、一緒に勉強していきましょう。

⑴ 形式を選択して貼り付けとは

エクセル内のひとつのセルには、様々なデータが保存されています。例えば、入力した数字そのものの数値データ、その数字のフォントや色を決める書式データ、セルに追加的に記入したコメントデータなど様々です。この「形式を選択して貼り付け」は、すべてのデータをコピペしてしまう普通の「貼り付け」とは対照的に、コピー元のデータを、取り出したいデータ別に出力することができるオプションです。

⑵ 形式を選択して貼り付けの使い方

形式を選択して貼り付けを行うためには、まずコピー元のセルをコピー(Win: Ctrl + C, Mac: Command + C)して、貼り付け先のセル上で右クリックをし、「形式を選択して貼り付け」オプションを選びましょう。ショートカットで操作したい方は、Win: Ctrl + Alt + V, Mac: Command + Ctrl + Vを押しましょう。これは確実に知っておくべきショートカットのひとつです。

⑶ 20個のオプション機能総まとめ

「形式を選択して貼り付け」を実行すると出てくるオプション20個について、ざっくりご説明いたします。20個すべてを暗記する必要はありません。ただし(★)マークがついた4つについては、注意して読んでください。非常によく使うオプションです!

形式を選択してペースト

1. すべて

コピー元のセル領域に設定されているすべてのデータを貼り付けます。つまり、ただのコピペです。デフォルトでの設定になっています。

2. 数式(★)

コピー元のセル領域に設定されている数式(イコールで始まる式)だけを貼り付けます。(貼り付け先の数式結果がエラーになる場合、相対参照設定による参照元の移動によって引き起こされる場合がほとんどです。参照元のコピー領域を絶対参照に変えてからもう一度試しましょう。絶対参照と相対参照がよく分からない方は、エクセルの絶対参照と相対参照の違いについてをご覧ください。)

3. 値(★)

コピー元のセル領域に設定されている数式の結果だけを貼り付けます。数式の結果がエラーの場合は、エラーを示す「#DIV/0!」などの文字列が貼り付きます。

4. 書式(★)

コピー元のセル領域に設定されている書式(セルの塗りや罫線、文字色などのこと)だけを貼り付けます。

5. コメント

コピー元のセル領域に設定されているコメントだけを貼り付けます。シンプルな回答。

6. 入力規則

コピー元のセル領域に設定されている入力規則(入力することのできる文字を制限する機能のこと)だけを貼り付けます。

7. コピー元のテーマを使用してすべて貼り付け

すべてのセルの内容を、コピー元のデータに適用されているドキュメントのテーマの書式設定を使用して貼り付けます。(これは、Microsoft Office2007で共通機能として導入された「テーマ」が関係しています。色遣いやフォント設定をまとめて切り替えることができる「テーマ」は、統一されたイメージでドキュメントを仕上げる時に使ったりします。ぼくはあまり使いませんが。)

8. 罫線を除くすべて

罫線以外の書式、さらに数式、値、コメント、入力規則を貼り付けます。

9. 列幅

列 (または列範囲) の幅を貼り付けます。

10. 数式と数値の書式

数式と数値の書式を貼り付けます。そのまんまですね。

11. 値と数値の書式

値と数値の書式設定を貼り付けます。これも、そのまま。

12. 条件付き書式の結合

貼り付け先のセルの条件付書式の先頭に、貼り付け元の条件付書式が追加されます。貼り付け後に、貼り付け先のセルをアウティブにし、条件付書式→ルールの管理で、セルの条件付書式の変化を確認できます。

13. しない

コピーしたデータには算術演算を適用しません(つまりコピー元の数値を、貼り付け先の数値に足したり、引いたりしないということ)。デフォルトでの設定になっています。

14. 加算

貼り付け先のデータ(数値)に、コピー元のデータ(数値)を足します。

15. 減算

貼り付け先のデータ(数値)から、コピー元のデータ(数値)を引きます。

16. 乗算

貼り付け先のデータ(数値)に、コピー元のデータ(数値)を掛けます。

17. 除算

貼り付け先のデータ(数値)を分子とし、コピー元のデータ(数値)を分母とし、割り算をします。

18. 空白セルを無視する

このチェックボックスをオンにすると、貼り付け先の値を、コピーした選択範囲の空白セルで置き換えないようにします。

19. 行列を入れ替える(★)

このチェックボックスをオンにすると、コピー元の行と列を入れ替えて貼り付けることができます。

20. リンク貼り付け(ペーストリンク)

作業中のワークシートに貼り付けたデータと、コピー元のデータの間にリンクを設定します。ブログでいう所の、内部リンクのことですね。

⑷ まとめ「映像見た方が、一発で理解できますよ。」

「こんなの読んでもよくわかんないよー」と思ったあなた。その気持ちわかります。言葉で説明されるよりも、実際に使っている人の映像を見た方が何倍もわかりやすいですよね(真理)。おさとエクセル第四回のレッスンでは「形式を選択して貼り付け」のオプション20個のうち、最もよく使う4個のオプション(★)をピックアップして解説しています。ぜひご覧になって、「形式を選択して貼り付け」の使い方をマスターしてくださいね!


関連動画:形式を選択して貼り付けについて

1. イントロ(00:00)

なんか、なぞのエフェクトもついてるし、音楽もかかってるし、第四回目にして動画編集をいれてきた様子が伺えます。ただし、編集力がショボい。

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2. コピー元のデータ素材について(00:43)

D6のセル番地に、⑴黄色の塗り、⑵赤色の文字色、⑶そして6という数値を返すSUM関数、が組み込まれていることがわかりますね。いろいろ指定してあるセルをコピペする方が、「形式を選択して貼り付け」の凄さを実感できちゃうんですよ、はい。

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3. 普通の「貼り付け」について(01:07)

まずは普通のコピペをサクッと。ショートカットの定番、Ctrl + C、Ctrl + Vについても丁寧にテロップつけてます。もちろん、動画内では「形式を選択して貼り付け」のショートカットもテロップで出しています。Must Check!!!

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4. 形式を選択して貼り付けについて(01:45)

次に「形式を選択してペースト(貼り付け)のダイアログボックス」より、最もよく使う4つのオプションについて学習しています。 ⑴値、⑵数式、⑶書式、⑷行列を入れ替える。データを分析したり、見栄えを整えたりするときに必ずといっていいほど使う4項目です。

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全編動画はお家のパソコンでゆっくりどうぞ!

それぞれのオプションがどのような形でデータを返してくるか、動画を見てご確認下さい。ショートカットも確実に覚えるようにしましょう。普通のコピペの方法についてすでにご存知の方は、01:45からご覧になるのをお勧めします。

次回は、おさとエクセル【#005】Microsoft Excelの関数って何?と題したビデオのダイジェスト記事を配信予定です。お楽しみに。へばな!

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