さて、この前のブログ:NPVって何?「事業投資」を理解するのに知っておきたいファイナンス知識をまとめていこうでは、ある事業に投資するかどうかは「NPV(正味現在価値)」の値によって変化する、というお話をしました。基本的にはNPV>0なら実行、NPV<0なら不実行でしたね。
NPV>0なら、あなたは何でも実行するか?
話は飛んで、給料日前日の仕事帰り。「あー、もう1,000円しかない・・。金ないけど腹減ったからラーメン食べたいわ・・でも、体に悪いしサラダにしようかな・・」皆さんがこの状況だったらどうするでしょうか。ATMに行く、カード払いするは男気がないのでダメ。仮に両方とも「NPV=10」の案件としましょう。「NPV>0だから、どっちか必ず実行する」というのは賢明ではありません。もしかしたら、帰りの電車で気になる女の子と出会い「カフェに行こ!」って誘われる可能性だってあるのです。男性の皆さん、財布にキャッシュ0円は、恐ろしいリスクです。
より良い案件が転がりこむまで、待て!
このカフェデートがきっかけで、あなたと彼女は晴れてカップルに。ラーメンを我慢することで「NPV>10,000」を超える超絶リターンが得られたのです。このようにNPV>0の場合でも、より良い案件を見つけるまで投資不実行のポジションをとることがあります。なぜなら、企業が投資のために使える資本には制約があるからです。手元に使える余剰資金がない場合、財務の安全性にリスクが顕れるだけでなく、素敵な投資案件を取りっぱぐれるリスクも生じてしまうのです。ここ、大事なのでメモ。手元のキャッシュが乏しいと「ここぞ!」というときに勝負できなくなるんです。毎日飲み歩いて散財しても、なにも良いことないよってことですね。
まとめ
理論的には、NPV>0は投資実行。ただし、現実的には「NPV>100以上の案件のみ投資実行」というような意思決定が実用的です。さらに、NPVはあくまでも定量判断であるため、その他の定性要因(BSに載らない買収先の人材やオペレーション等)も加味した上で、投資判断をする必要があります。頭の片隅にとどめておきましょう。それでは、あでぃおす。